英国のヘンリー王子(38)の回顧録「スペア」の内容を巡り、ニュージーランド航空が「うそ」を指摘した。10日に発売された同書は、兄ウィリアム皇太子夫妻を巡る暴露などもあり、英語版は米、英、カナダで143万部を売り上げる大ヒットとなっているが、事実と異なる記述が複数個所あるとの批判も出ており、物議を醸している。 
 2018年5月に行われた結婚式に疎遠になっているメーガン妃の実父トーマス・マークル氏を招待するため、ニュージーランド航空のメキシコ発英国行きのフライトを手配するなど尽力したと主張していることに対し、事実とは異なると同航空会社が否定したと米ニューヨーク・ポスト紙が伝えている。「メキシコと英国間のファーストクラスをメーガン妃が予約し、航空券を購入した」と記されていることに対し、「同区間の運航が行われたことは1度もなく、(同社には)ファーストクラスも存在しない」と述べ、王子の主張には誤りがあると異例とも言えるコメントを発表。その後、「どうやらもうすぐ就航するようです」と皮肉たっぷりのツイートもしている。 
 王子は「メディアの過熱報道から逃れるためすぐに英国に来るよう指示した」とつづっているが、マークル氏はヤラセ写真をメディアに撮らせたことなどで批判を浴び、最終的に渡英を断念し、挙式は欠席した。 
 「スペア」を巡っては、他にも1997年に自動車事故で死去した母ダイアナ元妃から亡くなる直前に13歳の誕生日プレゼントとして家庭用ゲーム機器「Xbox」を贈られたと記していることに関しても、同ゲーム機器が発売されたのは2001年で、英国では翌02年に販売されたと「誤り」が指摘されている。王子は出演したトーク番組で、エリザベス女王の激動の半生を描いたネットフリックスのドラマ「ザ・クラウン」を見て「ファクトチェック」したことを明かしているが、専門家や有識者からは「記憶や解釈と事実の間に誤認が複数ある」との指摘が出ており、ファクトチェックが甘いと批判を浴びている。(ロサンゼルス=千歳香奈子) 
https://news.yahoo.co.jp/articles/c01b637ddc3151f92d2408d120984402f71afd92








