ウクライナへのレオパルド2提供は実現困難か、西側諸国の合意から逸脱
スペイン政府はウクライナが熱望していたレオパルド2を提供する準備を進めていると現地メディアが報じていたが、このアイデアは現在「後退している」と独Spiegel紙が明かして注目を集めている。
このレオパルド2A4にオーバーホールを実施してウクライナに提供する準備(提供数は40輌前後)をスペイン政府は進めており、現地メディアのEl Pais紙は「この戦車の操作方法をウクライナ人に教えるためラトビア(NATO派遣軍の一部としてスペイン陸軍のレオパルド2Eが駐留中)やスペイン国内での訓練も計画されている」とまで報じていたが、このアイデアは現在「後退している」と独Spiegel紙が明かして注目を集めている。
戦いのエスカレーション=戦術核兵器の使用を招く可能性を危惧するNATOは全て加盟国が「西側製の戦車や戦闘機をウクライナに提供しない」という点で合意していると噂(5月頃に報じられていた指摘)されており、もしスペインがレオパルド2A4の提供に踏み切れば「この合意を破る初の事例」となるのだが、この移転に許可を出す立場のドイツ政府はスペイン政府に「西側諸国の合意から逸脱する」と警告、スペイン政府も「この計画は政治的な合意に達していない」と述べてベルリンに謝罪したらしい。
つまりドイツの許可を必要するレオパルド2A4のウクライナ移転計画は「検討段階」に過ぎず、これを政府関係者の誰かがEl Pais紙にリークしたため「何も聞かされていないドイツ政府内ではNATO加盟国間の合意を破るものだと騒ぎになり、スペイン政府が謝罪するハメになった」という意味で、このアイデアは規模を縮小(40輌→10輌)して現在も検討が続けられているらしいが「これさえも実行できるのか怪しくなってきた」と報じられている。
https://grandfleet.info/european-region/providing-leopard-2a4-to-ukraine-is-difficult-or-deviates-from-western-agreement/