1:名無しさん


 

「×」や「÷」を省略するのは文字式だけ
かけ算の記号「×」や割り算の記号「÷」を省略して表記するのは、文字式に限られたルールです。

数字だけで構成された式では、これらの記号を省略することはありません。たとえば、8×4 や 12÷3 のように、必ず「×」や「÷」を明示します。これは日本の算数・数学の教科書でも一貫して教えられていることで、非常に合理的かつ誤解の少ない方法といえます。

文字式の中でのみ記号を省略するというルールがあるからこそ、誤読を避けることができ、「×」や「÷」の優先順位を複雑に考える必要もありません。このルール設計の完成度の高さには、あらためて感心させられます。

では「8÷2(2+2)」はどう読む?
話題となった式「8÷2(2+2)」について考えてみましょう。
この式は文字式ではないため、厳密には「×」や「÷」の省略をすべきではありません。しかし、実際には記号が省略されたまま提示されており、読み方によって答えが変わってしまう例としてネット上で議論を呼びました。

たとえばこの式が、

8÷2×(2+2) のつもりだったのか
8÷{2×(2+2)} のつもりだったのか

によって、計算結果が変わります。

前者の場合は 16、後者なら 1 になります。

こうなると、もはやこの式をどのように意図して書いたのかは、作成者本人にしかわかりません。もし「どちらとも取れる」という曖昧な状態で出題されたのだとすれば、それは出題ミスであると言わざるを得ません。