■「マッチする色がない」ガッカリ感。自尊心の欠落にも
アメリカのクレヨン最大手のクレヨラと、絆創膏の代名詞とも言えるバンドエイドが相次いで「肌色」の多様化商品を売り出した。クレヨラは通常の24色入りとは別に、同じく24色もの異なる肌色だけを詰めた「カラーズ・オブ・ザ・ワールド」を、バンドエイドは「アワトーン OurTone」と名付けた茶色の濃淡3色をそれぞれ販売開始した。
日本では「肌の色だけで24色!?」と驚かれると思うが、アメリカでは化粧品のファンデーションは何年も前から各社40色程度の展開となっている。人種民族が多様なアメリカではそれほど肌の色に対するこだわりがある。というより、幼い子供たちの素直な感性に応えるための多色化だと言える。
自画像を描く子供を見ていると、自分の肌にもっとも近い色を選ぼうと、小さな手にクレヨンを当てて見比べている。マッチする色がなかった時のガッカリ感は「自分はおろそかにされている」という自尊心の欠落を招いてしまう。マイノリティーの子供には同じことがクレヨンだけでなく、人形や絵本、アニメや偉人伝から習い事のバレエのレオタードやトゥシューズに至るまで、あらゆる局面で日々起こり続けるからだ。
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