明治神宮、実は「財政問題」…外苑再開発の背景に 稼ぎ頭の球場の建て替えがネック 多数の樹木が伐採の危機
東京・明治神宮外苑地区で再開発が進められる背景に、同神宮の財政問題があることが分かった。複数の神社関係者らによると、宗教活動の収入のみでは財政を維持できず、稼ぎ頭である神宮球場の建て替えが必要になるという。(森本智之)
◆「広大な敷地、一宗教法人だけでは負担が大きすぎる」
明治神宮は初詣の参拝者が日本一多いといわれるが、実際の財政は、スポーツ施設や結婚式場の明治記念館の使用料収入など、外苑の稼ぎに頼る構造になっているという。神社界の関係者の1人は「外苑の収益事業があるからやりくりできる状況」と話す。
神宮球場は今年完成から96年を迎えるなど老朽化が進み、建て替えが課題だ。明治神宮の担当者は「神宮を維持するにはスポーツ施設の運営が非常に重要で、どうしてもこの機会に更新する必要がある」と述べた。今回の再開発に4事業者の1つとして参加することで、既存の球場を使いながら近接地に新球場を建設し、利用できない期間をなくすことができる。
外苑は、国や自治体が公金で運営する一般的な公園と異なり、維持・管理費は明治神宮など地権者が担う。これら費用が同神宮の財政を圧迫しているといい、別の神社界関係者は「外苑の広大な敷地を一宗教法人だけで管理するのは負担が大きすぎる」と再開発に理解を示す。
今回の再開発では高層ビルが立ち並び、900~1000本の樹木が伐採される可能性があるなど、外苑の環境は大きく変わる。外苑は、明治天皇と昭憲皇太后の遺徳をしのぶため、国民からの寄付、献木、勤労奉仕という民間の力で整備されたことなどを踏まえ、神社界には「創建時の趣旨とは違う形で変貌する」と再開発に否定的な声もある。
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