スーパーコンピュータ「富岳」を用いた新型コロナウイルスの「飛沫・エアロゾル拡散モデルシミュレーション」が、2021年ゴードン・ベル賞COVID-19研究特別賞を受賞した。米ミズーリ州セントルイスのアメリカズ・センターで開催されているハイパフォーマンスコンピューティングの国際会議「SC21」で発表された。
ゴードン・ベル賞は、スーパーコンピュータを用いた科学技術分野の研究の中で、その年に最も顕著と認められた研究に対して、米国計算機学会(ACM)が授与する賞で、個人や機器ではなく、アプリケーションを対象にしていることから、スパコン業界における「アカデミー賞最優秀作品賞」に相当するとも言われる。
これまでに「京」や、東工大の「TSUBAME」のアプリケーションが受賞している。冠となっているゴードン・ベル氏はDEC(現HPE)のPDP-11の開発者として知られる。
今回、富岳による飛沫・エアロゾル拡散モデルシミュレーションが受賞した「COVID-19研究特別賞」は2020年から設けられている。
TOP500のように、ベンチマークの性能が優れているだけでなく、スパコンの総合力を評価する賞である。性能の高さ、技術力の高さ、科学技術の社会へのインパクトが認められた。日本のスーパーコンピュータ技術が、総力戦において、世界トップクラスであり、社会に対して有用であることが認められた。
アプリケーションファーストという富岳の方向性が正しいことが証明され、それを国民に報告できた。スパコンにとっては最高峰の賞であり、名誉なことである」などと述べた。
2021年11月20日 06:45
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1368008.html