水道の維持管理の問題 住宅の生活排水を再利用のシステム | NHK
人口減少や施設の老朽化で、水道管の維持管理が課題となる中、都内のスタートアップ企業が、住宅の生活排水を再利用できる新たなシステムを開発し、自治体と連携して実証実験を始めました。
都内のスタートアップ企業「WOTA」と自治体の担当者などが31日、都内で記者会見を開きました。
全国の水道管は高度経済成長期につくられたものが多く、老朽化が進んでいるほか、人口の減少で料金収入が減ると見込まれ、施設の維持管理が課題だと指摘されています。
この企業が新たに開発したのは、住宅で使用された生活排水を活用したもので、殺菌処理などを行って浄化し、繰り返し利用できるシステムです。
ことし5月から離島の東京都利島村、8月から愛媛県西予市で実証実験を始めたということです。
実証実験を行う場所を今後さらに増やす計画で、2030年までに自治体の財政難などを理由に老朽化した水道管の更新が難しい地域での導入を目指したいとしています。
前田瑶介CEOは「人口が減少して水の需要も減るとみられるが、今後の10年間から20年間で、水道管を更新するのかも含めて、何にどのくらいの投資をすべきか判断が求められると思う。今、水道インフラを持続できるのかが決まる重要な時期だと考えている」と話しています。
愛媛県 “水道事業の給水区域伊以外で導入できないか検討”
記者会見に参加した愛媛県の山名富士デジタル変革担当部長は「愛媛県内では、水道事業の給水区域以外で住民みずからが水道を管理しているケースが多くある。住民が水をろ過する施設の清掃などを行っているが、小高い場所にある施設もあり高齢化が進む中で住民が管理することに限界がきていると思う。空き家が増えて住民も減り施設を管理する負担も重くなっている」と話しています。
愛媛県では、水道管の老朽化によるコストの増加も課題だとしていますが、西予市で今月から始めた実証実験は給水区域ではない住宅で行っていて、こうした地域で新たなシステムを導入できないか検討を進めたいとしています。
システム導入し実証実験 愛媛では
愛媛県西予市の山あいの地区にある住宅では、8月下旬から水を浄化して再利用するシステムが導入され、実証実験が始まっています。
雨水のほか、風呂や洗濯などで使った生活用水を回収し、独自に開発された装置で殺菌処理や汚れを取り除いて浄化しています。
浄化装置のタンクには、一般的に住民1人が一日に使うとされる200リットルを保管し、排水された水を水道施設で処理したのと同じように住宅内で繰り返し使うことができるということです。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230831/k10014179721000.html
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