収穫量が日本一の宮城県のホヤを巡り、海外市場を開拓する動きが熱を帯びている。ベトナムや米国への輸出が始まったほか、食文化の親和性が高い台湾からシェフを招いて試食会を開き、旬を迎える今夏に初輸出を目指す動きがある。東京電力福島第1原発事故後、大消費地だった韓国では県産ホヤの禁輸が続く。活路を求める関係者は「宮城を代表する海産物を売り込みたい」と意気込む。
「からすみに似た部分ある」
試食会は石巻市で2月28日にあり、宮城、台湾双方の関係者計約20人が参加。水産加工業の三陸オーシャン(仙台市)の木村達男社長(71)、台湾の若者向けレストランの蔡承宏(サイチンホン)シェフ(37)らが石巻産のホヤで5品ずつ調理した。
宮城側はホヤのむき身でゆで卵を包んだ「ほやたまご」やまぜご飯、ポテトサラダ、台湾側は唐揚げや春雨炒め、キムチのあえ物などを作った。
蔡シェフは「ホヤの味は台湾の『からすみ』と似た部分があり、多くの人に愛される食材だ」と太鼓判を押す。木村社長は「熱意のある台湾のシェフと食文化をぶつけ合い、とても楽しかった。お互いに努力すれば、もっといいメニューが生まれる」と期待した。
関係者によると、台湾はホヤの輸入実績がない。必要な衛生検査基準がなく、宮城の水産加工業者や台湾の商社などが夏の加工品の輸出に向けて調整を今後本格化させる。
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https://kahoku.news/articles/20230304khn000037.html