ビッグモーター元店長「保険売上不振で罰金、自腹で月10万」…「損保ジャパンの出向部長が主導」証言
金融庁は19日、中古車販売大手ビッグモーターと損害保険ジャパンの立ち入り検査を始めた。両社の関係が保険金の不正請求にどう影響したのか。ビッグモーターの元社員は、一体となって保険契約の獲得に突き進んだもたれ合いの構図を証言する。業界の健全化に向け、実態解明が急務だ。
東京都多摩市のビッグモーター多摩店には午前9時頃、金融庁の検査官4人が入った。立ち入り検査を行っている間も店舗では営業が行われており、オイル交換のために来店した町田市の男性会社員(50)は「頑張って立ち直ってほしい」と話した。
ビッグモーターは損害保険各社と代理店契約を結び、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)や任意保険を販売していた。しかし、ビッグモーターの元社員は「保険会社と言えば、損保ジャパンだった」と両社の「特別な関係」を語る。
ビッグモーターで月に1度、経営陣が店舗を巡回する「環境整備点検」。その中には「保険目標達成のためパーフェクトタッチを活用」という項目があった。パーフェクトタッチとは何か。元社員は「来店する客全員に保険の営業をかけること」と説明し、続けた。「保険の営業は社員の間で『アタック』と呼ばれ、他社の保険から損保ジャパンに切り替えさせていた」
店には損保ジャパンの営業マンがよく顔を出し、成績が上がらないと毎日来ることもあったという。<中略>
元店長の男性は「各店の保険の売り上げ目標として、前年比約2割増が求められていた」と語る。成績不振の店長は毎月の「店長会議」後、罰金を徴収された。集められた罰金は、成績優秀な店長に回されることから「上納金」と言っていたという。「罰金制度は、損保ジャパンから出向していた担当部長が主導していた」と証言する。
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