21年東京五輪金メダルの阿部詩(24=パーク24)が、まさかの2回戦敗退で2連覇の夢がついえた。2回戦で世界ランキング1位の第1シード、ケルディヨロワ(ウズベキスタン)と対戦。内股で2分14秒に幸先よく技ありを奪ったが、終盤の3分4秒、谷落としで逆転の一本負けを食らった。
直後、平野幸秀コーチに倒れかかるようにして、号泣。泣き崩れて歩けなくなった。肩を借りて退場する際には、会場から「ウタ」コールが沸き起こった。取材エリアでは、日本オリンピック委員会(JOC)広報が「取材を受けられる状態ではありません」と説明した。
関係者によると、衝撃の大きさから過呼吸を起こしており、周囲が懸命にサポートしている。
なぜ、序盤から大一番になったのか。先月23日に五輪ランキングが確定。昨年10月の国際大会を欠場した影響もあって詩は9位となり、今大会の上位8人のシードに入らなかった。そのため抽選会で、世界ランク1位と2回戦で対戦する組み合わせになった。
「どこに入ってもいいのかなと。結局は勝たないと金メダルはないので」と本人は意に介していなかったが、落とし穴にはなった。
男子66キロ級の兄一二三(26=パーク24)が初戦の2回戦を迎える前に、日本史上初の「きょうだい2連覇」が消滅した。
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