深夜というのに食欲をそそられる“夜食テロ”あるいは“飯テロ”と呼ばれるドラマが今期も盛りだくさんだ。一体、なぜこんなに増えたのか。<中略>
地上波で4本もの“飯テロ”ドラマが並んでいる。民放プロデューサーは言う。
■バラエティ番組もグルメが人気
「正直言って、どれもストーリーより料理を美味しく見せたいドラマですね。イケメンや美女たちが料理上手や食いっぷりの良さを見せつけています。深夜にこんなドラマばかり見せられては、“1億総メタボ”になるのではないかと心配になるほどです」
わざわざこんな遅い時間に放送しなくてもよさそうだが。
「視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)はいずれも2%程度ですが、最近のドラマはTVerなどの配信で見てくれればいいという考えで制作されています。“飯テロ”の元祖と言われる『孤独のグルメ』も3月26日からオリジナル作品の第2弾『孤独のグルメ配信オリジナル2 五郎、芸人まみれ』がParaviとLeminoで配信されています」
なぜこんなに増えたのだろう。
「やはり『孤独のグルメ』が大成功したことがきっかけでしょう。ドラマのみならずバラエティ番組でもグルメは高視聴率の鉄板でハズレがないと言われています。『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(日テレ/中京テレビ制作)もヒットしていますし、4月23日放送の『バナナマンのせっかくグルメ!!』(TBS)は2時間スペシャルで、NHK大河や『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ)、『ポツンと1軒家』(テレ朝)と放送が重なりましたが、『イッテQ』の10・1%を凌駕する10・3%を記録しました」
バラエティ班のグルメ担当も大忙しだが、ドラマ班には敵わないと羨ましがることもあるという。
■機材が違う、予算が違う
「まず機材です。人気者が街ブラするバラエティの場合、嵐のように来て、嵐のように去って行きます。カメラも肩に担いで使うビデオカメラで、短時間で簡便に撮れるのがウリ。一方のドラマ班は、一眼レフカメラのような被写界深度が深い高級レンズで撮影します。カメラ本体も高画質の4Kやハイスピード撮影にも対応できる。料理の撮影はライティングが命と言われますが、ドラマ班は照明部も連れてくるので最高のライティングで撮影でき、遠近や陰影も深く、美味しく見えるのは当たり前。さらにVE(ビデオエンジニア)もベタ付きですから高画質が保証され、バラエティ班の映像とは月とスッポンの差が生まれます」
さらに……。
「制作費も潤沢で、店一軒を借り切るのは常道。スタッフがベタ付きなのはもちろんですが、キャストは役者ですからスケジュールはベタ押さえで、途中で別の仕事に行くなんてこともない。バラエティの人気者は1日に3番組をハシゴして、飛び入り飛び出しが当たり前ですからね。そんな心配がないのが羨ましくてしょうがないそうです」
かくして“飯テロ”ドラマが増殖中というわけだが、深夜に限った話ではなくなりつつあるという。
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https://www.dailyshincho.jp/article/2023/04291103/
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