→7週間前に永久債の買い戻し発表したばかり、子会社は融資枠確保
→フィッチが「C」に格下げ-ディストレスト債の交換に相当
中国の不動産開発大手、正栄地産集団は業界内でデフォルト(債務不履行)が相次ぐ中、相対的に財務が強固だと考えられてきた。同社は7週間前に永久債を買い戻す計画を発表したばかり。子会社が国有の中国銀行から91億4000万元(約1660億円)相当のクレジットライン(融資枠)を確保したことも明らかにしていた。償還期限が迫っている正栄地産のドル建て債は額面1ドルに対して80セント近くと、同業の中国恒大集団の同17セントに比べれば堅調だった。
その同社が今では債務を返済できない恐れがあると警鐘を鳴らす事態となっている。18日遅く、3月の債務返済に向けた現金が足りない可能性があると、上場先の香港取引所への届け出で明らかにした。社債保有者に対しては来月5日の2億ドル(約230億円)相当の永久債買い戻しを履行できなくてもデフォルトを宣言しないよう要請した。
この1年にわたりネガティブサプライズが続いてきた中国不動産開発業界の基準で見てもあまりに急激な展開だった。今回の突然かつ不可解な資金繰り不安で、競合他社の多くに対する投資家の懸念も強まっており、不動産セクターの財務を巡る混乱に歯止めをかけようとしている中国政府の取り組みを損ねている。
全文はこちら
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-21/R7MKZHT1UM0W01