1:名無しさん




花こう岩は、流紋岩と同様にケイ酸分(SiO₂)を多く含む、粘性の高いマグマから形成される岩石です。ただし、その生成過程には大きな違いがあります。流紋岩が地表近くで急速に冷えて固まることで生じるのに対し、花こう岩は地下深くで、数十万年から数百万年という非常に長い時間をかけてゆっくりと冷却され、固化します。このため、花こう岩は結晶の粒が比較的大きく、1ミリメートルを超えるような粗い組織を持つのが特徴です。

日本国内では、花こう岩は北海道から沖縄まで広く分布しており、国土全体の約12%を占めています。なかでも中国地方には大規模な露出が見られます。また、花こう岩は建築や墓石などに使用される石材としてもよく知られており、「御影石」という名称で流通していることもあります。

一方、世界に目を向けると、花こう岩は産地によって構成する鉱物の色や割合、組織構造に違いが見られます。そのため、外観もさまざまで、街中で使われている装飾的な石材には、模様が華やかであったり、赤みが強いものも少なくありません。これらは大陸由来の花こう岩であることが多く、形成された時期も古く、約10億年から25億年前にさかのぼります。これに対して、日本のような造山帯に産する花こう岩は、比較的新しいもので、数千万年から1億年ほど前に形成されたと考えられています。

https://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/rock/igneousrock/granite.html