1:名無しさん




一部の報道では、流通過程で行方不明になっている21万トンは、高値販売を狙っている流通事業者が抱え込んでおり、そのために供給不足・価格が高止まりになっている、と考えている関係者が少なくないようだ(図表4・可能性1)。筆者としては、この21万トンについては、異なる見方(可能性2)をしているが、いずれにしても、「どこかに滞っているだけ」であれば、そのうち必ず市場には出てくるはずで、(農水省の需要の見立てが正しいのであれば)いずれ需要と供給が均衡し、価格は安定するはずだ。

最も問題なのは、農水省の需要と供給の見立てが誤っており、そもそも、需要に対する生産が十分にはできてなかった(2025年産もできない)場合である(可能性3)。その場合には、価格は高値のまま推移すると考えるのが自然である(この懸念、課題認識については、次回コラムで改めて取り上げたい)。

最終的に、現状の高止まりする価格が一定程度調整され、低下して安定的なものに落ち着くかどうかは、全体の生産量と需要量のバランス次第である。備蓄米放出が一時的なものとして実施される限り、その効果も一時的なものでしかない。結局、2024年産がおおむね全て市場に出てくる2025年の8月に市場に十分なコメが供給されていること、あるいは2025年度産が市場に出回る9月から11月ごろに、価格を安定させる程度に新米が十分に生産・供給されることが、価格の安定化には不可欠と考えられる。

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