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DAZNは、昨年末に親会社であるAccess Industriesから総額43億ドル、日本円だと5,000億円弱にのぼる資金を調達していたことを明らかにしました。新株の発行、優先株の普通株への転換、ローンの免除が実行され、昨年末の時点で借金がなくなったとのこと。
これにより財務面での不安をいったん払拭し、新たな大型投資や株式上場に向けた準備を整えたと言えます。もっとも、直近ではBT Sportの買収が失敗に終わったことは既報の通りですが。
Access社は一昨年傘下のワーナー・ミュージックを上場させたことで巨額の資金を獲得していますが、それでもDAZNにこれだけの金額をまだ突っ込んでくるのはなんとも恐ろしい。ただ、同じ手は何度も使えません。借金まみれの経営はもう許されません。DAZNが今年に入って経営陣を刷新したのも、日本やドイツで値上げを発表したのも、ひとつの線となってつながってきます。
さて、プレスリリースの中には電通への感謝の意が述べられています。電通はAccess社に次ぐ2位の株主であります。昨年3月に公開された有価証券報告書によると、株式の価値は約535億円となっています。
今回Access社が新株を引き受けたことで、電通の出資比率は下がるものと思われます。株式価値にも影響が出るかもしれません。今後のIRにも注目する必要があります。
イギリスの登記情報によると、今年の1/4付でKiyoshi Nakamuraという人物がDAZNの役員を退任していることが明らかになっています。これは電通の執行役員/スポーツ局長である中村潔氏のことと思われますが、後任となる人物が選任されていないため、電通の影響力が弱まっている可能性も考えられます。
ただ、中村氏は電通の執行役員も退任しているようなので、単なる異動(退職?)という線も考えられますが、東京五輪やラグビーW杯など世界のスポーツを動かしてきた人物なだけに動向が気になるところです。
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