パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエル軍の大規模戦闘で、双方の死者は8日午後に計900人を超えた。イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)などが伝えた。双方とも攻撃を続ける構えで、事態の悪化は必至の情勢だ。
ロイター通信は、イスラエルが受けた攻撃でこれほどの被害が出たのは1973年10月の「第4次中東戦争」以来、50年ぶりだと報じた。緒戦でエジプト、シリア両軍に攻め込まれた戦争として知られ、イスラエル市民は危機の再来に衝撃を受けている。現地メディアでは、ネタニヤフ政権が攻撃への警戒を怠ったとの批判も出ている。
報道によると、イスラエルでは死者数が600人に達し、2千人以上が負傷。ガザ保健当局は313人が死亡、約2千人が負傷したとしている。
ネタニヤフ首相は7日、「今日起きたことは過去にない出来事だ」と事態の深刻さを表現し、「ガザの至る所で強力な作戦を行う。住民は今すぐ避難せよ」と報復を明言した。政権は全土に国家非常事態を宣言。数千人規模の予備役を招集する見通しで、ガザへの地上侵攻や占領に踏み切るとの観測も出ている。
ハマスの指導者イスマイル・ハニヤ氏は7日、「敵の敗北の始まりだ」とし、イスラエルとパレスチナの衝突は占領下のヨルダン川西岸や、イスラム教やユダヤ教の聖地があるエルサレムに飛び火すると述べた。
ハマスは7日朝から3千発を超えるロケット弾をイスラエルに発射。これに合わせて多数の戦闘員がガザからイスラエル領に侵入し、住民を襲撃して一部を拘束したとみられる。英BBC放送(電子版)は在米イスラエル大使館の情報として、ハマスが拘束したイスラエルの市民や軍人は百人に上ると伝えた。
ロイターによると、ガザに近いイスラエル南部スデロットの路上では多数の遺体が見つかった。ハマス戦闘員の攻撃や治安部隊との銃撃戦で犠牲になったとみられる。
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