TSMC菊陽工場、投資額9800億円に 高性能の半導体製造へ デンソー出資は400億円
2022年02月15日 21:36 熊本日日新聞
半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は15日、ソニーグループとの合弁で熊本県菊陽町に建設する半導体の新工場について、設備投資額を約1800億円上乗せして約9800億円にすると発表した。より高性能な半導体を製造できるようにし、生産能力を拡大する。また、トヨタグループの自動車部品大手、デンソーは同日、合弁会社に出資すると発表した。
新工場では当初計画の回路線幅22~28ナノメートル(ナノは10億分の1)に加え、より微細で高性能な12~16ナノメートルのロジック半導体を生産する。生産能力も月間4万5千枚(300ミリウエハー換算)から5万5千枚に増強。雇用も約1500人から約1700人に拡大する。これに伴い投資額が当初計画の約8000億円から大きく膨らむ。
回路線幅22~28ナノメートルのロジック半導体が自動車や家電向けなのに対し、12~16ナノメートルはスマートフォンなどに使う。幅広い用途をカバーすることで、国内企業による半導体の安定調達に一層寄与しそうだ。
新工場は、TSMCとソニーグループの半導体子会社、ソニーセミコンダクタソリューションズ(神奈川県厚木市)が合弁で設立した「ジャパン・アドバンスト・セミコンダクター・マニュファクチャリング」(JASM、熊本市)が建設する。デンソーはJASMに約400億円出資し、10%超の株式を取得する。自動運転や電動化に伴い需要増が見込まれる半導体の調達手段を確保する。
デンソーの有馬浩二社長は「TSMCとのパートナーシップにより、車載半導体の中長期的な安定調達を実現し、自動車産業全体に貢献していきたい」とコメントした。
https://kumanichi.com/articles/560255
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