トヨタ自動車は2027~28年を目標に、電気自動車(EV)向け全固体電池の実用化を目指す(図1)。同全固体電池は、2026年に同社が導入する次世代EVへ搭載する液系の次世代電池に対して、一充電からの航続距離(以下、航続距離)を20%伸ばせるものだ(空力や軽量化など車両効率の向上分を含む。航続距離に関し、以下同じ)。同次世代EVに搭載すれば、航続距離は1200kmほどになるとみられる。
充電量10%から80%の急速充電時間(以下、急速充電時間)も10分以下に短縮することを目指している。前述の液系次世代電池が同20分以下だったので、半減することになる。コストについては、同社は精査中としている。
EVへの全固体電池搭載に挑むことを決めたのは、電池の耐久性を克服する技術的なブレークスルーを発見したため。全固体電池では、充放電によって固体電解質が膨張・収縮を繰り返す。これにより亀裂が生じ、電荷を伝えるイオンが正極と負極の間を通りにくくなることがあった。新技術でこの課題の解消につなげる。
トヨタが全固体電池を実用化へ、EV向けで27~28年を目標に
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/at/18/00006/00608/