アルゼンチンでは一刻も早いF-16の導入が待たれています。というのも、同国は現状、飛行している超音速の戦闘機がゼロになっているからです。
かつてアルゼンチン空軍は超音速戦闘機としてフランス製のミラージュIIIを運用しており、南米国家の中では有力な空軍力を保有していました。1982年に起きたフォークランド戦争では、イギリス海軍のBAe「シーハリアー」と空中戦を行ったこともあります。
しかし戦争後、長く続く同国の経済的困窮により、空軍の予算は減少が続き、機体の老朽化による維持費増大も重なり2015年には保有するミラージュIII全機の退役を決定します。これにより、アルゼンチン空軍では超音速の戦闘機がゼロになり、「43年間の運用実績と13万1000時間の飛行時間による技術の蓄積が失われた」などと現地メディアでは報じられています。現在は、わずかに残るA-4AR「ファイティングホーク」がジェット機として防空任務についています。
経済的な問題のほかにも、フォークランド戦争で戦ったイギリスからの武器禁輸措置、政治の混乱などの影響により、アルゼンチンは長らくミラージュIIIの役目を継ぐ戦闘機を探せずにいました。
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