意識の高いオーガニックやサスティナブルな人々が「今、江戸の食を見直す」と言うものの、江戸の食で真っ先に連想してしまうのが「塩辛い一汁一菜で大量の飯をかき込む」なので、少し心配になってしまうのであった。 pic.twitter.com/Ld5iwDuxB0
— Vatanabeus (@nabe1975) March 29, 2025
江戸時代の庶民の食事は、「ご飯・味噌汁・漬物」を基本とする「一汁一菜」の形が主流でした。漬物にはたくあん、梅干し、ぬか漬け、らっきょうなど、現代でも親しまれているものが並び、味噌汁にはワカメや海苔などの海藻類がよく使われていたようです。
比較的裕福な家庭では、この一汁一菜に加えて煮豆や納豆などのおかずが加わることもありました。また、奉公人を抱える町人や下級武士の家では、ご飯、味噌汁、漬物に加えてイワシなどの魚が食卓にのぼることもありました。
食事の回数については、江戸時代初期までは平安時代と同じく「1日2食」が一般的でしたが、江戸時代中期には朝・昼・夕の「1日3食」が定着していったとされています。
江戸時代後期になると、裕福な町人だけでなく、多くの庶民の食事にも「米飯・味噌汁・漬物・おかず1~2品」が並ぶようになります。庶民は白米を中心とした食生活を送っており、時には1日に1人4~5合もの白米を食べることもあったといいます。
魚は、裕福な家庭でも2週間に1回程度しか食べられなかったとされ、特に庶民には比較的手に入りやすいマグロやイワシが好まれていました。これらの魚は主に刺身や膾(なます)として食べられていましたが、江戸時代後期に七輪が登場すると、焼き魚も一般的な食べ方になっていったようです。