投資会社『ローンスター』が韓国政府相手に起こした損害賠償請求について、『ICSID』(International Centre for Settlement of Investment Disputesの略:国際投資紛争解決センター)がいよいよ――10年越しに判断を下すとのこと。
『ローンスター』は韓国政府に46億7,500万ドルの損害賠償を求めています。
韓国でしか起こらない事案(Only IN Korea:OINK)と呼ばれたこの騒動は以下のような経緯をたどりました(ご存知の方は飛ばしてください)。
◆『ローンスター』が激怒したのも無理はない
2003年
『ローンスター』が韓国の『韓国外換銀行』を1兆3,834億ウォンで買収。50.53%の株式を取得。
2007年
『ローンスター』は『HSBC』に『韓国外換銀行』の売却を打診。
「60億1,800万ドル」での売却契約を締結しますが、
2008年
『HSBC』が買収を諦め、契約は破棄されます。
2012年
『ローンスター』は韓国の『ハナ金融』に『韓国外換銀行』を「3兆9,157億ウォン」で売却。
事の起こりは、1997年アジア通貨危機によって、ボロボロになった韓国の金融機関を『ローンスター』が救済して買収したことです。
『韓国外換銀行』を手に入れた『ローンスター』は、経営改革(リストラ)も行って見事に黒転させます。立ち直ったので売却しようとしたところ、韓国世論が沸騰。
「韓国の金融機関を安く買い叩いて高く売り、もうけようというのか」などという無茶苦茶な非難が『ローンスター』に寄せられました。
これに阿(おもね)った韓国政府は、『ローンスター』を締め付ける動きに出ます。
『韓国外換銀行』を不当な低価格で買収した容疑、脱税・外貨密輸入容疑で検察庁が捜査を行いました。
『ローンスター』は、「韓国政府の承認遅延で『HSBC』との取引が雲散霧消しただけでなく、『ハナ金融』を相手に売却を推進するときにも韓国政府が価格を下げろという圧力を掛け、不当な課税までした」と主張しています。
そのため、『ローンスター』は巨額の損害賠償請求を行っているのです。
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https://money1.jp/archives/87585