実写大作映画の苦戦が北米で続いている。DC映画『ザ・フラッシュ』の想定外の失敗も記憶に新しい中、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(以下、『運命のダイヤル』)も厳しいスタートを強いられた。6月30日~7月2日の週末興行収入ランキングではNo.1に輝いたものの、3日間の興行収入は6000万ドル。製作にかかったコストを鑑みると、極めて苦しい初動というほかない。
本作は、ハリソン・フォード主演『インディ・ジョーンズ』シリーズの第5作にして、フォードがインディアナ・ジョーンズを演じる最後の作品。『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981年)以来およそ40年の物語を締めくくる一作だが、オープニング成績は前作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008年)の1億13万ドルに及ばず、シリーズ記録の更新はならなかった。
もっともディズニー/ルーカスフィルムも、過去最高の滑り出しを期待していたわけではなかったようだ。事前の予測では3日間で約6500万ドルを稼ぎ出す見込みだったため、6000万ドルという数字は期待にやや及ばなかった程度。問題は、海外市場でもさほど華々しいスタートにならなかったことと、本作に約4億ドルもの高額が費やされていることだ。<中略>
『運命のダイヤル』が苦戦した背景には、若い観客を劇場に導けるほどの強い訴求力がなかったこと(この3日間は観客の42%が45歳以上だった)、ワールドプレミアとなったカンヌ国際映画祭での評価が今ひとつで、結果的にネガティブな印象を招いたことなどが挙げられる。コロナ禍を経た今、大人向けの映画に観客が集まりにくい傾向は変わっておらず、本作もその影響を被った。若年層やファミリー層の心をつかみ、新旧ファンが劇場に押し寄せた『トップガン:マーヴェリック』(2022年)がいかに奇跡的だったかということでもあろう。
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