東方正教会の最大教派であるロシア正教会の最高指導者キリル総主教(モスクワ総主教庁)が戦争を称賛する言動で東方正教会が真っ二つに割れる危機に直面している。キリル総主教は最近、ウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ侵攻を「神聖な(Sacred)」戦争だと賛美し、欧州はもちろん米国の東方正教会もキリル総主教に反対し始めた。
1000年の歴史を持つ東方正教会は、ローマカトリック教・プロテスタントとともにキリスト教3大分派の一つで、信徒の数は約3億人に達する。
18日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)はイタリア・米国・フランス・オランダなどの正教会がウクライナ事態以降、キリル総主教に強く反発していると伝えた。米国の一部信者は教会を変え、フランスでは正教会の神学生が主教にモスクワ総主教庁との決別に対する署名活動を行った。また、イタリアのウディネ正教会ウォロディミル・メルニチュク総主教は「モスクワ総主教が神学ではない国家イデオロギーを支持することに関心を持っていることを知った」とし「(キリル)総主教はウクライナの人々を裏切った」と話した。メルニチュク総主教は先月31日(現地時間)、モスクワ総主教庁とのすべての関係を切るという内容の手紙を書いた。
ワシントン・ポスト(WP)によると、キリル総主教は3月、モスクワ大聖堂で開かれた礼拝で、ビクトル・ゾロトフ将軍に金箔を施した聖火を手渡しながら「この聖火が祖国守護の道を歩み始める若い兵士たちにインスピレーションを与える」としながら祝福の祈りを捧げた。ゾロトフ将軍は「貴重な贈り物がウクライナ・ナチスとの戦闘で軍隊を守ってくれるだろう」と応じた。
また、3月の説教で「我々は物理的なことではなく形而上学的な意味を持った闘争に入った」とし「神は偽りとなった西欧自由の世界ではないロシアの味方」と話した。キリル総主教は性的マイノリティ問題を引き込んで神は西欧の味方ではないと話した。
キリル総主教は毎週のように信者がウクライナ侵攻に参加することができるように促し、ウクライナを統一された人民を引き裂く外部の敵だとも言及した。キリル総主教はプーチン大統領の熱烈な支持者で、2012年には彼の時代を「神の贈り物」と表現したこともある。
ストックホルム神学学校(Stockholm School of Theology)のシリル・ホボラン(Cyril Hovorun)教授(教会学)はWPに「すべての戦争には銃とアイデアがなければならない」とし「この戦争ではクレムリン(ロシア大統領宮)が銃を提供し、教会がアイデアを提供したようだ」と話した。
◆1000年の歴史を持つ正教会、戦争で分裂の兆し
ロシアのウクライナ侵攻を契機に東方正教会の首長格であるバルトロメオ1世総主教(コンスタンチノープル正教会)とキリル総主教の葛藤が頂点に達し、東方正教会が真っ二つに割れる兆しが見えている。
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