【ワシントン時事】米政府は衆院選での与党の勢力維持を歓迎している。中国との覇権争いが激化する中、岸田政権の対中政策を注視。とりわけ日本の防衛費増額の方針は、日米の抑止力強化に資するとして実現に期待が高まっている。
米政府関係者は、自民党が防衛費について「国内総生産(GDP)比2%以上も念頭に増額を目指す」と公約したことを「画期的だ」と評価。次期駐日米大使に指名されたエマニュエル前シカゴ市長も、承認公聴会で「日米が相互運用できる兵器を調達し、戦略を描くのに重要な機会になる」と強調した。今後、装備品購入拡大の圧力がかかる可能性がある。
米側は半導体など重要品目のサプライチェーン(供給網)強化や、知的財産権保護を重視している。安全保障を念頭に置いた経済連携も日米関係の焦点となる。
一方、バイデン政権が優先課題に位置付ける気候変動対策が自民党の公約で大きく扱われなかったことで「岸田文雄首相は関心が低いのか」(外交筋)といぶかる声も。英グラスゴーの国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)での首相の発信が注目されそうだ。
時事通信 2021年10月31日21時34分
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