1:名無しさん




平沼:もう少し詳しくお話しましょう。例えば(ステージ中央の)シンガーの位置では、左右のサブ・ウーファーが等距離になるため、単純に音量が倍になります。こうなってしまったら、シンガーはまともに歌えないでしょう。そのため、低域の狙った周波数をクリーン・アップする必要があるのですが、その1つがエンドファイア方式ということになります。

クリーン・アップしたい周波数を狙ってサブ・ウーファー同士を離したり、送る信号にディレイを入れて調整していく…のですが、こう見ると凄く複雑なことをやっているように思われるかもしれませんが、仕組み自体は非常にシンプルです。

クリーンにしたい周波数を決めたら、サブ・ウーファーを置く距離を1/4波長分ずらし、前方にあるサブ・ウーファーに1/4波長分のディレイを入れます。今回のステージの場合ですと、50Hzを狙いましたので…。1/4波長は1.7m(340m/sで算出)ですから、前後のサブ・ウーファーの距離は1.7m離し、前方にその分のディレイを入れます。

すると客席側から見たとき、2つのサブ・ウーファーの音は同相加算になるため+6dB(2倍)に。反対にステージ側から見ると1/2波長分遅れることになるので、音が小さくなる…という。仕組みとしてはシンプルですが、効果は絶大です。

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