「愚能」「ボケ」…役所にカスハラ電話707回 裁判所が示した「限界ライン」
「お前らは愚能」「死んでも許しません」。役所にこうした電話を700回以上かけてきた女性に対し、大阪府が、電話や大声を出すなどの行為を一切禁じる命令を出すよう求める訴えを大阪地裁に起こした。近年、一般企業で客による著しい迷惑行為「カスタマーハラスメント」への対策が強化されているが、市民に開かれているべき公共施設では同様の対応は難しい。裁判で焦点となったのは、自治体の性質を踏まえても、女性の電話を全面的に禁止できるかどうかだった。
「受忍限度を超える困惑」
「(動物愛護管理行政に関して)電話し、面談を強要し、大声を出し、罵声を浴びせ、または質問に対する回答を要求してはならない」。大阪府は一昨年6月の提訴で、裁判所にこうした命令を出すよう求めた。
自治体が司法判断に基づく全面的な〝対応拒否〟を求めた背景には、女性の「受忍限度を超える困惑・不快」な行動があった。
訴訟資料によると、女性は平成26年3月から一昨年3月までに府動物愛護管理センターに707回電話。うち324回は終盤の8カ月間に集中し、通話時間が1時間を超えることも。
電話の中で女性は、新型コロナウイルスの影響でイベントを中止したことを「職務怠慢。甘ったれんなよ」と批判。ほかにも理由をつけては、「キレさせるお前が全部悪い」「ボケ」「お前が私をうっとうしいと思っている一億万倍うっとうしい」などと罵詈雑言(ばりぞうごん)を並べた。
さらに電話だけでなく1年間だけで1万83通ものメールが届き、府側は「極めて執拗(しつよう)で、通常業務に大きな支障が生じている」と訴えた。
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