多くの観客と視聴者で盛り上がった、9月の「東京2025世界陸上」。アスリートと同様にライバルたちとバトルを繰り広げたのがスポーツブランドだ。スポーツライターの酒井政人さんは「成績上位者が履いたシューズを調べると、ナイキ、アディダス、アシックス、プーマなどメジャーなブランド以外の新興や老舗のブランドにも存在感があった」という――。
■盛り上がった世界陸上のウラで熾烈なブランドバトル
東京で34年ぶりに開催された世界陸上(9月13~21日)の会場・国立競技場には計約62万人が来場した。大会を生中継したTBSは総視聴人数が7977万人を突破したと発表。大会最終日の平均世帯視聴率は19.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)に到達したという。
美しく躍動したアスリートだが、その裏ではスポーツブランドも激しい戦いを繰り広げていた。<中略>
■ナイキ、マラソンのメダル0で箱根駅伝の着用率に暗雲
●マラソン男女
各ブランドがしのぎを削る、厚底シューズはどうだったか。マラソン競技はそのバトルの優劣を端的表している。
男子マラソンで最後に壮絶なスパート合戦を制したアルフォンス・シンブ(タンザニア)はアディダスの「ADIOS PRO EVO 2」、同タイムで惜しくも敗れたアマナル・ペトロス(ドイツ)がプーマの「FAST-R NITRO ELITE 2」、3位のイリアス・アウアニ(イタリア)はアシックスの「METASPEED RAY」を着用していた。4位と7位に入ったイスラエル勢もアシックスを履いていた。
女子は接戦を演じた1位ペレス・ジェプチルチル(ケニア)と2位ティギスト・アセファ(エチオピア)はともにアディダス、3位のジュリア・パテルナイン(ウルグアイ)はサッカニー(1898年創業米国最古のランニング専門ブランド)だった。7位入賞を果たした小林香菜(大塚製薬)はアシックスの「METASPEED TOKYO」を履いていた。
マラソンの“勝者”は、男女で3つのメダルを手にしたアディダスだったといえるだろう。この結果は2026年の箱根駅伝の各選手の着用率にも影響を与える可能性もある。ちなみに、前回大会の着用率は多い順に、アディダス36.2%(76人)、アシックス25.7%(54人)、ナイキ23.3%(49人)、プーマ11.9%(25人)……となっている。
かつての絶対王者・ナイキを履いた選手は世界陸上のマラソンで1枚もメダルを獲得できなかったが、東京世界陸上の最終日9月21日に行われたベルリンマラソンで2時間6分14秒の自己新&日本人過去最高タイの2位に入った、赤﨑暁(九電工=パリ五輪6位)は、ナイキの「アルファフライ 3」を着用した(従来はニューバランスだった)。
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