クリスマスのイチゴって本当のシーズンは5月。品種改良が進む前は、日光中禅寺湖そばの戦場ヶ原(標高1400m)まで苗を持ち上げて”冬”を経験させ、鹿沼あたりにおろして栽培し、クリスマスに実らせる山上げ栽培をしていた。湿地と火山灰土しかない戦場ヶ原を開拓したのは、満蒙開拓から引き揚げた人々。
— 藤井一至 (土の研究者) (@VirtualSoil) December 24, 2024
山上げ栽培とは、平地の温暖な場所で出芽したイチゴの苗を、一定期間冷涼な高地に移植した後、再度平地に戻すことで苗の早生を刺激するもの。本来イチゴは初夏の果物で、出荷時期は5月頃でした。
しかし早生種のイチゴを戦場ヶ原に山上げすることでクリスマスシーズンに出荷することが可能となり、日光のイチゴは全国で重宝されるように。つまり日本一を誇る栃木のイチゴは、山上げ栽培の成功があったからこそともいえます。
標高が低くては効果が少なく、高すぎると平地に戻した時の温度差が大きすぎて苗が傷むなど、大変な労力を要する山上げ栽培。現在は夜冷育苗やポット育苗といった技術が開発されたことで、山上げ栽培に取り組む農家の数は減っています。
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