埼玉県さいたま市北区の同市立大宮北高校(竹越利之校長)は、2022年4月から制服にユニクロ製品の採用を検討している。現在の制服も併用するため、ユニクロ製品の着用の選択は、生徒とその家庭に委ねられるが、ユニクロ製品を選択した場合、制服の購入にかかる初回の費用は、現状から約3分の1の価格に抑えられるという。
大宮北高校の制服は、1956年の創立以来、男子生徒は黒色の学生服、女子生徒は紺色のブレザーにボックススカート。制服に使用される生地はウール100%であり、購入費用は、1着4~6万円。同校によると、県内の高校の中でも平均的な価格帯だという。
「『制服の購入費用は確かにそれくらいかかる』という概念から抜け出すことができないかというところから始まった」と筒井賢司教頭。制服購入にかかる各世帯の負担を減らそうとユニクロ製品の採用を検討。制服として採用されるジャケットやズボン、スカートなどは同社既存品のため、上下をそろえても約1万円で購入することができる。
9月下旬に行われた中学3年生とその親を対象とした「学校説明会」では、実際に導入を検討する製品が披露された。説明を受けた生徒や保護者からは、スカートやパンツ、ニットなどは複数種類のカラーの中から選べるため「コーディネートを考えるのが楽しみ」との感想がある一方で、「周りが何を選ぶのかが気になる」との意見も。説明会終了後、マネキンに着せられた衣服の生地を確認していた母親は、「入学シーズンはまとまったお金が出ていくので(説明を受けたときに)、価格面では本当に魅力的な話でしたが、耐久性が気になっていた。実際に手に触れたら意外に丈夫そうで安心した」と安堵(あんど)していた。
制服の購入は、導入段階では学校近くの特定の同社店舗を窓口に指定する予定だが、その後はその他の店舗やオンラインでの購入も認めていくことを検討している。
ユニクロの広報によると、本部で把握している学校などでの実績は、三重県内の公立中学校で準制服として同社製品が採用されている1例のみだという。
埼玉新聞2021年10月1日(金)
https://www.saitama-np.co.jp/news/2021/10/01/08.html