韓国レゴランドのABCP(Asset-Backed Commercial Paper:資産担保コマーシャルペーパー)が不渡りとなったことに端を発して、韓国の短期資金調達市場で金利が急騰。
資金調達が非常に困難になるという人災が発生しています。
2022年11月02日、『興国生命』が「外貨建て永久債」の早期償還を行わないことが分かりました。これが、外貨建て債券市場を梗塞状態に陥られるのではないか――という懸念が出てきました。<中略>
まず、『興国生命』は発行済の2017年発行の永久債5億ドルを早期償還できる状況ではありませんでした。
早期償還ということは、上記でご紹介したとおり、投資家に元本の5億ドルを償還しなければなりません。しかし、その5億ドルを素直に出すと、韓国金融当局のRBC規制に抵触する可能性があったからです。
RBCというのは、「合計調整自己資本 ÷ RBCリスク量」で計算します。至極簡単にいえば、リスクの量の何割自己資本を持っているのかを示しており、韓国の金融当局はこれを「150%」と設定しています。
つまり、韓国の生命保険会社の場合には、リスク金額総計の1.5倍自己資本がないと「健全」と認めないのです。
『興国生命』は5億ドルを出すと150%を割る可能性があったの「できない」となったのです。
次の手として、借り換え(ロールオーバー)を企図しました。
借り換え用に「3億ドル規模の新たな外貨建て永久債」を発行し、韓国内で「1,000億ウォンの劣後債」(永久債と仕組みはほとんど同じ)を発行とありますので、残りの2億ドル弱は現金で出すつもりだったと思われます。
ところが、金利の急騰によって外貨建て永久債の新規発行が不可能に。
これで打つ手なし――となり、早期償還はできなくなったのです。
全文はこちら
https://money1.jp/archives/92709
続きを読む