ロシアが発行したドル建て国債で利払いの不履行が起きたと認定された。米欧格付け会社が〝正式〟な認定を出せない状況での判断とはいえ、金融市場は既に事態を織り込んでおり、事実上のデフォルト(債務不履行)といえそうだ。信頼回復の道のりは遠く、ロシア経済の苦境はウクライナ危機が収束した後も中長期的に続く懸念が強まった。<中略>
一方、ロシアは国際的信用が失墜し、既に外貨建て債券の新規発行が難しい。通常はデフォルトの結果として陥る資金調達難が現実化しており、正式認定が出るかどうかは今やあまり意味を持たなくなっている。
ただ、ロシア政府がデフォルトを認めない限り信頼回復に向けたプロセスすら始まらず、経済の打撃は相当な長期化が見込まれる。今回のデフォルトがロシアの国際的孤立と暗澹(あんたん)たる将来を決定付ける象徴的な意味合いは、やはり大きい。(田辺裕晶)
https://www.sankei.com/article/20220602-RBKSGJKGFJLIXMV3NOBM6ECYNY/