現地12月20日、ロシア・サッカー連合(RFU)は特別理事会を開催し、議題に上がったUEFA(欧州サッカー連盟)からAFC(アジア・サッカー連盟)への転籍案を全会一致で否決した。
ウクライナ侵攻によってFIFA(国際サッカー連盟)とUEFAから国際大会への参加を禁止されている現状を受けて、およそ1年前からにわかに浮上していたAFC転籍案。AFC加盟国のなかにはRFUを支持する国も少なくなかったが、結局はUEFA残留を決断し、継続して禁止解除を訴える構えのようだ。ミハイル・ゲルシコビッチ理事は「大いに議論したが、FIFAからの保証がないために否決された。我々はUEFAとの関係を続ける」と説明している。
一連の決定を受けて、ロシア・サッカー界からは安堵の声が聞こえてくる。
元ロシア代表MFで天才プレーメーカーと謳われたアレクサンドル・モストボイ氏は地元メディアの取材に対し、「ロシアがUEFAに残るって? 良かった! ようやくすっきりしたよ。間違いなく正しい決断だ。一度(AFCに)行ったら、もう戻れないからね。世界のフットボールの中心は欧州にある。我々は留まるべきところに留まった」とコメントを寄せている。
さらにディナモ・モスクワやベティスを率いた名将、アンドレイ・コベレフ氏もRFUの決定に賛同。「私はずっとAFC転籍に反対してきた。ロシアにとってなんのメリットもないからだ」と断言し、「アジアはフットボールのレベルが極めて低い。オーストラリアを含めて広大なエリアのため移動も大変だし、そもそもオーストラリアや韓国、日本などはロシアに対して否定的だろう。RFUは現状の改善に努めるべきなんだ」と力説した。
政界からも支持の声が上がった。フィギュアスケートのペアで3度の五輪金メダルに輝いたイリーナ・ロドニナ氏だ。ロシア連邦議会の下院議員を務める74歳は「私はフットボールの専門家ではないけども」と前置きしたうえで、「スポーツの世界では、常にベストを目ざさなければならない。アイスホッケーならば誰もがNHLでプレーしたいと願う。フットボールも同じ。アジアのチームに勝ったからといって、ヨーロッパとの比較にはならない」と私見を述べている。
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