フジテレビは、中国の大手動画配信サイト「bilibili(ビリビリ)」と提携し、新たに設けたアニメの深夜放送枠で10月から、ビリビリ制作の作品を放送し始めた。中国アニメは質が向上し、日本での存在感を増すが、その後押しになりそうだ。両社は新作の共同制作に向け、企画の検討を進めており、ビリビリの役員は「共作アニメは世界市場に向けて作っている」と強調した。(川上義則)
ビリビリは2009年設立。動画共有サイトの運営、アニメやゲームの企画、動画配信などを手がける。17年から若者向けの中国アニメの企画・制作を行い、現在は年40~50作品を送り出す。中国内では海外のサイトにはアクセスできないため、ビリビリの配信を通じて日本のアニメを見る若者も多い。
ビリビリの張聖晏(33、レオ・チャン)副総裁(副社長に相当)は「提携の目的は、中国アニメを日本の視聴者に好きになってもらうこと。もっと大事なのは、フジと新作アニメを作ることだ」と語る。日本のテレビ局と同様にアニメの企画を通じ著作権を確保し、映画化や音楽、グッズ販売につなげたい考えだ。
フジは既に深夜アニメ枠を2枠持っていたが、ビリビリのアニメ枠「B8station」を新設した。10月16日から、写真を通じて時間をさかのぼる能力を持つ若者2人を描いたSF「時光代理人-LINK CLICK」の第1期(毎週月曜午前2時20分~)を放送している。来年1月には開始時間を毎週木曜午前1時25分に移し、中国の妖怪を題材にしたファンタジー「百妖譜」、その後に時光代理人の第2期を放送する。
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