天野さんは収穫されたミカンのうち、一部を熟成させるため貯蔵する。
ミカンは貯蔵することで熟成し甘みが増すほか、出荷の時期をずらすことで消費者に長い間ミカンを楽しんでもらうことができる。
◆貯蔵の弱点「15%が腐敗」
しかし貯蔵するデメリットもある。
ミカン農家・天野 さん:
20トンくらい貯蔵するので、15%くらいは腐敗が出ます。持った時点でつぶれてしまう
◆「青い光」LEDで腐敗を抑制
こうした農家の悩みを解決しようと、浜松市の企業が立ち上がった。
竹下昇輝記者:
こちらの装置を使うことによって、野菜や果物などにカビが生えるのを防ぐことができるということです
活用したのは「光触媒」だ。
浜松パルス 企画開発室・近藤室長:
今見ていただいた「青」の光が、可視光型の光触媒です
この光触媒は青色LEDをフィルターに照射することで化学反応を起こし、強力な酸化作用を発生させるもので、空気中のカビなどの有害物質を除去することができるそうだ。
こちらの企業ではこのLEDの技術を生かして、農作物の鮮度を保つ装置の開発に取り組んできた。
この装置は野菜や果物の他にも、パンや餅などでも腐敗を抑える効果が確認されているという。
さらに…
浜松パルス 企画開発室・近藤 正人室長:
(人体への影響は)全くありません。オゾン・塩素・紫外線など人体に悪い影響があるものを一切出さないというのが光触媒の特徴です。こうした装置を農家さんで使っていただくことは、健康面でも非常に安全だと言えます
◆試作品で腐敗抑制効果を確認
2021年 天野さんの貯蔵庫で装置の試作品を設置したところ、例年に比べ大幅にミカンの腐りが抑えられたという。
ミカン農家・天野 さん:
今までは(貯蔵したミカンの)15%くらい腐敗があったが、去年は3%から5%くらいまで減りました
ミカンの収穫を控えた11月10日、改良が加えられた装置が天野さんの貯蔵庫に設置された。
浜松パルス 企画開発室・近藤 室長:
ミカンを貯蔵する1週間前から(装置を)動かしてもらって、貯蔵庫内のカビ菌を減らして、それから(ミカンを)入れてもらう
天野さん「(腐敗が)1~2%まで減ってくれれば」
2021年に比べフィルターや風量が改良されたというこの装置に、天野さんも期待を寄せる。
全文はこちら
https://www.sut-tv.com/news/indiv/19379/
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