最近、NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、ビッグバンからわずか5億年後という領域に大質量銀河を6つも発見しました。従来の宇宙論ではこの年代の宇宙には小さな赤ちゃん銀河しか存在しないはずであり、なぜ天の川レベルの大質量銀河が存在するのか説明することができません。オーストラリア・スウィンバーン工科大学(Swinburne University of Technology)の天文学者イヴォ・ラベ氏ら研究チームは、「これらの銀河は、現在の宇宙論のモデルに当てはめるには大きすぎる」と述べ、非公式に「ユニバース・ブレイカー」と呼んでいます。研究の詳細は、2023年2月22日付の科学誌『Nature』に掲載されました。<中略>
今回の研究者イヴォ・ラベ―氏(Ivo Labbe)は、同僚のエリカ・ネルソン氏(Erica Nelson)と共に、JWSTの検出したデータの中から、ハッブル宇宙望遠鏡が見逃していた可能性のある新しいタイプの銀河を探す研究をしていました。あるとき同僚のエリカ氏が、「これを見て」と銀河の写真が送ってきたという。イヴォ氏はUFOのように映る赤い円盤のような銀河写真を見た後、その分析結果に目を向けて思わずコーヒーを吹き出しそうになったと語ります。そこには、銀河の距離が131億光年、質量が太陽質量の1000億倍という2つの数字が並んでいたのです。多くの人は、彼がこの2つの数字にコーヒーを吹くほど驚いた理由がすぐには理解できないかもしれません。しかしこの数値は、現在の宇宙論では説明することができない銀河の存在を指し示していました。
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