衆議院解散後初の日曜となった17日、岸田文雄首相と自民党総裁選を争った高市早苗政調会長は、新潟県上越市で新潟6区の立候補予定者の応援演説を行った。総裁選で党内きっての保守派として株を上げ、演説後には握手を求める聴衆が押し寄せて人だかり。支持離れが懸案だった保守層に突き刺さる「選挙の顔」として応援依頼が殺到している。
降りしきる雨に加え、11月上旬並みに冷え込む中、集まった聴衆は約300人(陣営発表)。高市氏の政策集や総裁選で製作された「サナエタオル」を手にした女性もいて、総裁選で急騰した人気が持続していることを感じさせた。
高市氏が選挙カーの上でマイクを握り「国の究極の使命は国民の生命と財産を守り抜くことだ」と力を込めると、聴衆が「そうだ」と呼応。演説後には選挙カーを降りた高市氏との握手を求めて聴衆が押し寄せ、一時パニック状態になった。新潟6区で5選を目指す高鳥修一氏(細田派)もこの光景には「高市さんの人気は凄い」と目を丸くした。
新潟6区は高鳥氏と、立憲民主党の梅谷守氏との一騎打ちの構図。17年衆院選では約2200票差で高鳥氏が薄氷の勝利を収めたが、大票田の上越市では選挙区内の5自治体で唯一、梅谷氏に軍配が上がった。高鳥陣営はこの上越市を「最重点地域」(陣営関係者)と位置付け、攻略に力を入れている。
一方、高市氏にとっては総裁選で細田派としてどの候補を支持するか固まらない中、いの一番に自分を支持してくれたのが高鳥氏。その“恩返し”をした形だ。
演説を終えた高市氏は取材陣に「しっかりと応援できた」と手応えを強調。その上で「自分の選挙の準備はできていないのですが…」と苦笑いした。各陣営から応援依頼が殺到しているためで、周囲によると、高市氏は「選挙期間中、地元に1回帰れるかどうか」とも話しているという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d3281f64b85cd7ce0d364c9840499cd28456061