続々集まるNATO規格「155mm砲」でウクライナどう戦う? 対ロシア第二ラウンドへ
ロシアの侵攻に対抗すべく、アメリカを始め西側諸国が続々とNATO規格155mm口径の野砲や自走砲をウクライナに供与し始めました。これまでウクライナが使っていたのは旧ソ連規格152mmのもの。NATO規格だからこそのメリットがあるようです。
続々とウクライナに集まる多種多様な自走砲
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから2か月あまり、いまだ停戦に至らず戦いが長期化するなか、アメリカを始めとしたNATO(北大西洋条約機構)加盟国は、ウクライナに口径155mmクラスの榴弾砲を次々と供給するようになっています。
具体的には、アメリカ、オーストラリア、カナダが牽引式の軽量155mm榴弾砲M777を3国合計で100門以上、フランスは装輪式の155mm自走榴弾砲「カエサル」を12両程度、オランダは装軌式(いわゆるキャタピラ式)の155mm自走榴弾砲「PzH2000」を少数、ポーランドは装軌式の122mm自走榴弾砲2S1「グヴォズジーカ」を、それぞれウクライナに引き渡しています。
加えて、一部欧米メディアが報じたところによると、イタリアとベルギーは装軌式の155mm自走榴弾砲M109を、スウェーデンは装輪式の155mm自走榴弾砲「アーチャー」を、スロヴァキアは装輪式の155mm自走榴弾砲「ズザナ」またはその原型である152mm自走榴弾砲「ダナ」を、チェコも同じく「ダナ」を供給するとのことです。
これまでウクライナが使っていたのは旧ソ連規格の122mm口径、もしくは152mm口径のものです。ウクライナ側からの要請もあるとはいえ、なぜ、急にいまになって155mmクラス(一部152mmクラス)の榴弾砲が大量に必要になったのでしょうか。それには、いくつかの理由があると筆者(白石 光:戦史研究家)は考察します。<中略>
ウクライナの野砲&自走砲の使い方は?
もちろん、かつてのように砲撃座標に向けて無誘導の砲弾を雨のごとく撃ち込む方法もありますが、砲弾に共用性がある西側の155mm砲を使うメリットは、アメリカが開発したM982「エクスカリバー」やM712「カッパーヘッド」といった各種の誘導砲弾を、どの砲も発射できる点にあります。これらは精密誘導性能に優れているため、命中精度の高いピンポイント砲撃が可能です。たとえば、戦車などの戦闘車両だけを狙うとか、さらに高度な識別として、司令部車両のような特定の条件を備えた目標だけを攻撃することまでできるとされています。
加えて、偵察ドローン(無人航空機)や西側が提供する各種のリアルタイム偵察情報などでロシア側の位置情報が高い精度でウクライナ側にもたらされるため、より脅威度の高いロシア部隊に対して優先的に砲撃を加えることができるようになります。
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https://news.nifty.com/article/item/neta/12203-1613140/
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