ウクライナに侵攻したロシアに対し、日本政府は長年の慣例を破り、厳しい対応に出た。
ロシアが2014年、ウクライナ南部クリミア(Crimea)半島に侵攻した際、日本の対応は手ぬるいと見なされた。だが、今回は西側諸国と歩調を合わせてロシアに前例のない制裁を科し、厳しく非難。ウクライナに対しては、殺傷能力のない防衛装備品の提供にまで踏み込んだ。
「日本はこれまで、危機に際して金は出すが直接の関与は行わないと批判されてきた」と、仏シンクタンク「戦略研究財団(FRS)」のバレリー・ニケ(Valerie Niquet)アジア研究主任は語った。
ニケ氏は、今回、日本政府は「行動することに重点を置いている」と指摘。「事態の推移を傍観しているだけではないことを示そうとしている」と話した。
米シンクタンク「アメリカ進歩センター(CAP)」のトビアス・ハリス(Tobias Harris)上席研究員は、ロシアの個人を対象とする制裁などの措置を日本がスピード感を持って打ち出したことについて「日本政府がこれほど迅速に動くとは思っていなかった」と、驚きを隠さない。
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