抽象画家モンドリアンの作品、75年間逆さまに展示か
オランダの抽象画家ピエト・モンドリアンの作品の1つが75年間、さまざまなギャラリーで逆さまに展示されてきた――。美術史の専門家がそんな指摘をし、注目されている。
問題の作品は「ニューヨークシティI」。1941年に制作され、1945年に米ニューヨーク近代美術館(MoMA)で初展示された。
1980年からは、ドイツ・デュッセルドルフで、ノルトライン=ヴェストファーレン州の美術収集品として展示されている。
学芸員のズザンネ・マイヤー=ブーシャ氏は今年、モンドリアンに関する新たな企画展のリサーチをしていて、長年の間違いに気づいたという。
ただ、いま作品を正しい向きに変えると損傷してしまう恐れがあるとして、同氏は注意が必要だとしている。そのため、今後も作品は逆さのまま展示される予定だ。
「ニューヨークシティI」は、モンドリアンの絵画「ニューヨークシティ」の粘着テープを使ったバージョン。赤、青、黄色のテープで格子模様が描かれている。未完成で署名はない。
格子の線の密集部分が
マイヤー=ブーシャ氏は、「格子の線が密になっている部分は、暗い空のように、上にあるべきだ」と英紙ガーディアンに話した。
https://www.theguardian.com/artanddesign/2022/oct/28/mondrian-painting-has-been-hanging-upside-down-for-75-years
BBCには、「私がそのことを他の学芸員たちに言うと、みんなまったくそのとおりだと気づいた。作品が逆さになっている可能性がとても高い」と話した。
ただ、いま作品を正しい向きに変えると損傷してしまう恐れがあるとして、同氏は注意が必要だとしている。そのため、今後も作品は逆さのまま展示される予定だ。
「ニューヨークシティI」は、モンドリアンの絵画「ニューヨークシティ」の粘着テープを使ったバージョン。赤、青、黄色のテープで格子模様が描かれている。未完成で署名はない。
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https://www.bbc.com/japanese/63436627