1:田杉山脈 ★:2021/11/16(火) 23:08:08.15 ID:CAP_USER
「貯蓄から投資へ」と盛んにいわれている。それはすべての人に当てはまることなのだろうか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「国はiDeCoやNISAへの投資を勧めているが、やめたほうがいい人もたくさんいる」という――。
■「iDeCoはやらなきゃ損」は本当なのか
2017年1月、それまで希望する会社だけが導入していた年金制度「401k」が、会社に企業年金のない会社員、自営業、専業主婦など現役世代のほぼすべての人に拡大されました。
自分で出す掛け金を、自分で運用する個人型確定拠出年金で、通称「iDeCo」です。金融庁が「貯蓄から資産形成へ」の旗振り役となり、国民が自ら年金を作るべく、積極的に投資を勧めています。
iDeCoは老後に向けて毎月一定額を、あらかじめ選んだ投資商品で運用していくもので、簡単にいうと投資信託の積み立てです。
iDeCoのメリットは、
①毎月の掛け金は全額所得控除になるので、所得税、住民税が安くなる
②運用中に出た利益には税金がかからない
③年金を受け取るときは、退職所得控除と公的年金等控除になる
普通に株や投資信託で運用すると利益に税金がかかりますが、iDeCoなら税金面でおトクというわけです。
国も無限大に税金を安くするわけにはいかないので、iDeCoには積立額の上限があります。会社員で会社に401kのある人と公務員は年14万4000円まで、自営業は年81万6000円までが所得控除の対象です。
ここまでなら「iDeCoをやらなきゃ損」と思う人も多いと思います。けれども、本当にそうなのでしょうか。
■苦しいときは、老後の年金より現金
iDeCoは節税になる半面、それを上回る大きなデメリットもあります。
それは、積み立てたお金が60歳になるまで引き出せないこと。自分のお金であるにもかかわらず、必要なときに貯金のように下ろすことができません。
そもそも一般的なサラリーマンで、節税が必要なほど税金を払っている人はそう多くはありません。サラリーマンは転職するかもしれないし、リストラされるかもしれません。
iDeCoは転職しても続けられますが、勤める会社の形態によって積立限度額が違ってきますし、会社にも報告して手続きをするという雑多な業務が発生します。また、今までの積立額を60歳まで維持できるかどうかはわかりません。
自営業者の場合は、仕事をしていく途中で資金繰りに困ることもあるでしょう。
コロナ禍で泣いている飲食店や事業者がどれほど多いことか……。そんなとき、「そういえば、iDeCoに500万円ある」と思っても引き出せないので、高い利息を支払って銀行や信金から資金を借りなくてはならない事態が発生するかもしれません。
苦しいときは、老後の年金より、今すぐ欲しい現金のほうが、ずっと役に立ちます。
なお、自営業者には、仕事を辞めたときの退職金代わりとして、まとまったお金を手にするために積み立てる小規模企業共済制度(年84万円まで所得控除)があります。
小規模企業共済には、事業が苦しくて資金が必要になったら、預けているお金を担保に低利融資の制度もあります。また、ペナルティはありますが、途中で解約することも可能です。
よほど儲かっている自営業者なら、小規模企業共済とiDeCoの両方に加入して節税するのはよいですが、そうでなければ小規模企業共済を優先したほうが、自営業者には使い勝手がよいでしょう。
■公務員の年金に4階部分ができた
公務員にとってだけは、iDeCoはとても優遇された金融商品です。
そもそも、会社員に401kが導入された際に公務員に導入されなかったのは、税金から給料をもらっている公務員が、民間人よりも大きい節税メリットを享受するのはおかしいという議論があったからです。
また、公務員にはすでに「年金払い退職給付」という、民間の企業年金にあたる年金があるので、ここにさらに上乗せして、企業年金にあたるものが公務員だけ2つになるというのも不公平だという議論もありました。
公務員の年金は、2015年10月から厚生年金と一元化されています。
この裏事情には年金をもらう公務員の数が急増しており、このままだと現役の公務員だけでは支えきれなくなる可能性が高くなったということがあります。
今のうちに安定している厚生年金と一緒にして、破綻しないようにするという魂胆です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f15ce43dfaf7fa4e052e2f269ea10da0c42ebce9
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