ロシアによるウクライナ侵攻は、日本の自動車メーカーにも深刻な影響を及ぼすことになるかもしれない――。<中略>
新車の生産が遅れている原因の一つは、半導体不足である。だが、最近になって別の部品の不足も自動車生産に大きな影響を及ぼすようになった。
それが、「ワイヤーハーネス」という部品だ。
「ワイヤーハーネス」とは、言うなれば「電線の束」である。表に出ているモノではないため一般のドライバーが目にする機会は少ないが、人間でいえば血管や神経のような役割を担っている重要な部品だ。自動車の電動化が急速に進む昨今、「ワイヤーハーネス」需要は世界的に高まっている。
同じ車種であってもグレードごとに組み方が異なることがあり、現代においても「ワイヤーハーネス」の生産はほぼ手作業で行われている。
典型的な労働集約産業であるため、製造コストの安いウクライナなど東欧の国々で多く生産されている。そこにロシア軍の侵攻があったため、多くの工場が稼働停止を余儀なくされているのだ。
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