電動のペダル付きバイクで走行中、ハンドルと本体をつなぐ部品が折れて転倒し、顔面骨折などのケガを負ったとして、50歳代の女性が近く、バイクの製造・販売会社「グラフィット」(和歌山市)を相手取り、製造物責任法に基づいて約2900万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすことがわかった。
ペダル付きバイクはバイクと自転車の機能を併せ持ち、「モペット」とも呼ばれる。電動式はペダルをこがなくてもバッテリー走行が可能で、道路交通法上は原付きバイクに分類される。
同社のバイクは2017年発売の初代モデル以降、通勤や日常の買い物用として人気を集め、女性は20年5月、同社の公式オンラインショップで購入した。
女性側の代理人弁護士によると、女性が21年6月、東京都内の勤務先の敷地内でバッテリー走行(時速20~26キロ)していたところ、ハンドルと本体をつなぐ「ハンドルポスト」の根元部分が折れた。女性はハンドルを持ったまま転倒し、顔や左手首の骨を折るなどの重傷を負ったという。
女性は地元の消費者センターに事故を報告。国民生活センターが同11月に作成した報告書は「ハンドルポストが長く、減速時の荷重で根元に大きな力がかかりやすい構造だった」とした上で、根元部分が折れた原因は、繰り返し力がかけられたことによる「疲労破壊」だったと分析した。
代理人は「女性は取扱説明書の記載に違反することなくバイクに乗っていた」としており、「体勢を支えるはずのハンドルポストが壊れており、通常有すべき安全性を欠いていたのは明らかだ」と主張。バイクには製造物責任法上の欠陥があったと訴えるという。
女性は読売新聞の取材に「日本企業の製品だから安心していたのに、裏切られた思い。同じような事故を二度と繰り返さないでほしい」と話した。
グラフィット社も取材に応じ、事故車両が手元にないことなどから事故原因は判断できていないと説明。提訴については「現時点では見解を述べられない」としている。
https://news.livedoor.com/article/detail/26256203/