2023年も年の瀬が迫ってきたが、毎年この時期に芸能界で注目を集めるのが音楽業界最大の賞レースである『輝く!日本レコード大賞』 の行方だ。
「TBSが毎年授賞式を生中継するレコ大は、視聴率も低迷、打ち切りも取り沙汰されましたが、近年は何とか2桁視聴率をキープして持ちこたえている状況です。SEKAI NO OWARIの『Habit』が年間大賞を受賞した昨年は、午後7時からの2部で世帯平均視聴率10.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録しました」(スポーツ紙の芸能担当デスク)
“延命”の背景には視聴率以外の要因もあるようだ。
同賞といえば、「日本作曲家協会」と「日本レコード大賞制定委員会」が主催し、中継を放送しているTBSが後援をしている一方で、かねてから“芸能界のドン”と呼ばれる大手芸能事務所バーニングプロダクションの周防郁雄社長が強い影響力を持つとされている。過去には年間大賞に絡んだ“買収疑惑”も一部週刊誌で報じられたが、レコード会社の社員はこう語る。
「賞レースということで各賞の選定の票を持っている審査員のスポーツ紙や一般紙の記者やデスク、テレビ局員などへの接待が毎年の恒例行事となっているわけですが、レコードやCDの時代とは異なり近年は音楽業界も長年低迷。接待費もバカにならないし、『もうレコ大はなくしてもいいんじゃないか』と内心思っている業界関係者は少なくない。TBSも“数字”のわりに経費がかさむということで、番組時代もはやお荷物扱いですからね。続けたいのは影響力を維持したい“ドン”と経済的な実入りのある日本作曲家協会くらいのものでしょう」
そんなレコ大だが、今年は例年以上に各賞、特に年間大賞の選考に苦労しているという。
「年間大賞に関しては11月中旬から下旬に発表される『優秀作品賞』の中から選ばれるのですが、我々業界関係者の間では今年の“本命”は言うまでもなくYOASOBIの『アイドル』なのですが……すんなり決まりそうもないようですね」(同)
同曲といえば、アニメ『推しの子』のオープニング主題歌として人気を集め、ストリーミング再生では史上最速で4億回再生を突破。さらに同作がNetflixで配信されていることもあって海外でも評価されている、今年数少ないヒット曲のひとつだ。
加えて、レーベルは20年の「炎」のLiSA(※ソニー・ミュージックレーベルズの社内レコードレーベルのSACRA MUSIC)、19年の「パプリカ」のFoorin、17年の「インフルエンサー」&18年の「シンクロニシティ」の乃木坂46、16年の「あなたの好きなところ」の西野カナらが所属して、レコ大とは縁の深いソニー・ミュージックエンタテインメントということで、今年の年間大賞の本命も納得のところだが……。
「YOASOBIといえば、『NHK紅白歌合戦』にこそ出場しているものの、民放テレビ局の音楽番組にはほとんど出演しないことで知られていますからね。実際、『アイドル』も今のところ日本の音楽番組では披露していませんし。『レコ大』の年間大賞については後援するTBSの中継番組との兼ね合いから、受賞の際の楽曲のパフォーマンスが必須とされていますから、そこが大きなネックとなりそうです」(前出のレコード会社社員)
今年9月21日に放送された韓国の音楽番組『M COUNTDOWN(Mnet)』に出演し、同曲をスペシャルステージ枠で披露した「YOASOBI」。ファンのみならず関係者もステージでのパフォーマンスを中継で視聴したいはずだが、年の暮れには日本の音楽業界賞最大の賞レースの舞台に立つのだろうか。
https://www.cyzo.com/2023/11/post_358885_entry.html
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