■「保守の自民党ほど再エネが似合う政党はない」
総裁選では再エネの高コストが争点となった。これについて問われた小泉氏は反論した。
「コストの見える化が必要です。この総裁選では、いまの化石燃料をベースにした日本の経済・社会の構造を維持すると、毎年10兆円以上海外に支払っていることを言った人はいないと思います。それを言わずに再エネでコストが上がるというのはネガティブキャンペーンとしかいいようがないですね。再エネは純国産エネルギーですから、最終的に国家の自立に繋がるエネルギー安全保障の確立になる。それを考えれば、保守と言っている自民党ほど再エネが似合う政党はないと思っています」
そして安定供給については産業界からも不安の声が上がっていた。これに対して小泉氏は産業界には「ゲームのルールが変わったことに気づいていない人が多い」と批判した。
「亡くなられた経団連の中西会長は、『S+3E』(※)の前に脱炭素だと語りました。完全にゲームのルールが変わったという中で議論しなければ何も始まりませんね。再エネ=安定供給ではないという議論は国際社会から全く理解されない。いかに安定供給させる社会をつくっていくか、前向きに政策を進めていくことが、これから日本の次の雇用や産業を作ることに繋がると思っています」
(※)「S(安全)」+「3E(安定供給、経済性、環境性)」
■「激しく戦いを繰り広げたのが石炭と再エネだった」
そしてあらためて原発政策について小泉氏はこう語った。
「安倍政権、菅政権で環境大臣をやってきた立場として、両政権とも原発を可能な限り低減をさせるとしてきました。その中で私は再エネ導入を明確に位置づけることで、結果として原発への依存度を下げていく方向に繋げたいと考えました。エネルギー基本計画案には『もし再エネが想定よりも導入できた場合は、他の電源は減らされる』と書いてあります。これは実はとても重要なことだと思います」
環境相だった2年間を振り返って最も印象に残ったものを、小泉氏は「石炭」と「再エネ」と答えた。
「大臣に就任した当初から、国際社会と日本の大きなギャップの1つが石炭政策でした。しかし石炭輸出の要件の見直しを環境省内でさえできると思っていなかったのです。最も激しく戦いを繰り広げたということで言えば、石炭政策の見直しが象徴的ですね。再エネ再優先の原則がもしも変えられるとしたら、それは間違いなく後退でしょう。再エネ最優先の原則を勝ち取る戦いも自分の中では印象に残っています」
来る衆議院選挙に向けて小泉氏は「様々なところで気候変動対策に取り組む必要性を訴えていきたいと考えています」と語った。
気候変動は異常気象を引き起こし、国民の生命と生活に直結する問題だ。ぜひ来るべき衆議院選挙において与野党で議論を深めるべきである。
https://www.fnn.jp/articles/-/247364