成年後見制度を悪用し、財産管理を担った高齢者の口座から1200万円を横領したなどとして、NPO法人の元理事長(66)が福岡地検に在宅起訴されていたことがわかった。
起訴状などによると、福岡県南部の久留米市を拠点とする「NPO法人権利擁護支援センターふくおかネット」の理事長だった森高清一被告(66)は5年前、成年後見制度によって財産管理をしていた高齢者の口座から約1200万円を横領した疑いが持たれている。起訴罪名は、業務上横領の罪。財産管理を担った高齢者が死亡後、その財産を親族に引き継いだとする文書を偽造し、裁判所に提出した疑いもあり、有印私文書偽造・同行使の罪にも問われている。
■勉強会で「講師」制度普及の旗振り役
成年後見制度は、認知症や知的障害など判断能力に不安がある人について、裁判所の選任を受けた人が契約や財産管理などを代わりに行う国の制度。森高被告は制度に関する勉強会で講師を務め、制度の普及を進める立場だった。
■ほかにも“被害”2000万円超えか
関係者によると、森高被告はほかにも複数人からの横領を認めているという。被害は2000万円以上に上るとみられる。「ふくおかネット」は森高被告に返金を求め、全額が返金された。同法人は被害者や親族へ返金を進めている。完了次第、法人を解散する方針。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0272c827e30ba76c3fac724d7edd4c2734853ba8