1:名無しさん




研究材料の乏しかった40年前、岩石粉末はナイロン製のストッキングに詰めて埋設された(ミネラル・バッグ)。掘り出してまず驚かされたのは、土ではなく、そのナイロン・ストッキングだった。

ナイロンは石油(当初は石炭)と水を原材料とする有機物である。微生物の食料になっていてもおかしくないが、ナイロン・ストッキングはいくつか虫食いや根に破られた跡はあったものの、全くといっていいほど分解されず、土に還(かえ)ってはいなかった。

66ナイロンは、第二次世界大戦の前夜(1935年)、日本からの輸入に依存していた生糸(絹)の代わりとして米国(デュポン社)が開発した合成繊維である。戦時中はノルマンディー上陸作戦などのパラシュートの素材として活躍した。分解されずに残ったストッキングは、ナイロンの丈夫さと微生物が人工物を分解することの難しさを示している。今日のマイクロ・プラスチックによる環境汚染問題に通じるものがある。

https://gendai.media/articles/-/146064?page=3