ロードレースでプロの選手が乗る自転車をハッキングする手法を、米国の大学の研究チームが発見した。ワイヤレスで電子制御する変速機を遠隔操作するもので、数百ドル程度の装置があれば競技中に攻撃を仕掛けることも可能だという。
プロサイクリングの世界には、このところ目を疑うほど多種多様な不正行為や汚い手口が蔓延してきた。パフォーマンスを強化するドラッグ、コースにまき散らされた画びょう、ホイールハブ内に密かに仕込まれたモーターなど、枚挙にいとまがない。
そして今度は自転車の変速機(ギアシフター)のソフトウェアアップデートをダウンロードし損ねた人たちが、ハッカーによる妨害行為に対して苦戦を強いられることになるかもしれない。そう、いまや自転車部品もソフトウェアでアップデートされる時代なのだ。
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)とノースイースタン大学の共同研究チームが、8月12日と13日に開催された「USENIX Workshop on Offensive Technologies(USENIX WOOT)」で、ある手法を発表した。数百ドル(数万円)のハードウェアさえあれば、オリンピックやツール・ド・フランスといった最近の大会でも世界のトップサイクリングチームの多くが採用している、シマノのワイヤレス変速システムを誰でもハッキングできるというものである。
研究チームが発見した比較的単純な無線攻撃の手法を使えば、不正行為者やハッカーが最長30フィート(約9m)の距離から“なりすまし”の信号を送信できるようになる。標的とする自転車をいきなり変速させたり、変速機を誤ったギアでロックさせたりできてしまうのだ。
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https://wired.jp/article/shimano-wireless-bicycle-shifter-jamming-replay-attacks/
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