ウクライナ軍によるリマン解放はロシアにとって衝撃的で、カディロフ氏はリマン防衛を担当していた中央軍管区司令官のラピン大将を「凡庸な男」と呼び、もし自分のやり方なら「二等兵に降格させて前線に放り込んでいる」と批判した。<中略>
ラピン大将は手持ちの戦力を全てリマン方面に配備したものの通信手段、部隊間の調整、弾薬供給を軽視、2週間前に現地のチェチェン部隊から「我々が格好の標的になるかもしれない」と報告され、ゲラシモフ参謀総長にラピン大将の作戦指導に関する問題点を報告したが「大将の軍事的な才能に疑いの余地はなくリマン方面からの退却はない」とカディロフ氏に保証したらしい。
しかしカディロフ氏は「ラピン大将は1週間前に司令部本部を100km後方のスタロビルスクに移し、自身は150km後方のルハンシクに退避した。どうやって150kmも後方で迅速な指揮を行うのか?現地部隊は基本的な兵站の欠如で幾つかの拠点と広大な領土を放棄せざるを得なかった。ラピンは凡庸な男で参謀本部に匿われており、もし自分のやり方なら二等兵に降格させて前線に放り込んでいる」と批判、困難な時代において陸軍の縁故採用は何の役にも立たないと吐き捨てている。
要するにラピン大将の作戦指揮に問題があるという報告をゲラシモフ参謀総長が軽視、ラピン大将はウクライナ軍がオスキル川の対岸で橋頭堡を築きつつあった9月23日頃に司令部本部と自身を後方に下げて作戦指揮を行おうとしたが上手く行かず、参謀本部も予想もしていなかったリマン包囲が完成してしまい「撤退を余儀なくされた」という意味で、ロシア軍上層部は「ラピン大将が指揮する部隊がウクライナ軍の反撃を阻止してくれる」と本気で信じていたのだろう。
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https://grandfleet.info/russia-related/the-fall-of-liman-was-shocking-even-in-russia-and-the-war-criminal-was-the-hero-of-the-capture-of-lischansk/