自動車国内2位の日産自動車と3位のホンダが、提携の検討を始める覚書を結んだ。世界的な電気自動車(EV)や自動運転化の荒波に淘汰(とうた)されることへの危機感がうかがえる。独立路線を貫いてきたホンダも、異業種のソニーグループに加え、積年のライバルの日産と組むという決断を迫られた。
・「イーアクスル」
両社が協力を検討するのは、EV中核部品の駆動装置「イーアクスル」や蓄電池、自動運転向け車載ソフトウエアの開発などだ。
日産はフランスのルノーや三菱自動車と連合を組む。一方のホンダは本田宗一郎氏が1948年に創業して以来、基本的には独立路線を維持してきた。だが、近年は米ゼネラル・モーターズ(GM)と燃料電池車(FCV)などで協業し、異業種のソニーグループとも提携、そしてガチンコのライバル関係である日産とも組むなど大きく方向転換している。
ホンダは2040年に世界で販売する新車を全てEVとFCVにする「脱エンジン」戦略を掲げるが、米テスラや中国のBYDなど大手がシェアを拡大する一方、新興メーカーは激しい価格競争で淘汰が進むなど逆風が強まっている。トヨタ自動車はハイブリッド(HV)車など多様な車種に強みを持つが、EV化など脱エンジンを単独で進めても埋没しかねない。
・資本提携考えてない
1月中旬に協議を始め、約2カ月で覚書締結に至った。資本提携も考えていないという。具体化を待たずに走り出した感が強い日産とホンダだが、「目的地」が決まるのははこれからのようだ。
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