国連のグテーレス事務総長は11日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区の空爆で、国連職員少なくとも11人が死亡したと発表した。そうした中でも国連は、ガザ地区の人道支援活動を継続するため緊急支援を呼びかけている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、死亡した職員の内訳は、教員5人と婦人科医、技術者、心理カウンセラー各1人、支援スタッフ3人。中には自宅で家族と共に死亡した職員もいるという。
国連学校の児童や生徒も30人が死亡した。
ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによる奇襲を受け、イスラエルは数日間にわたりガザ地区の空爆を続けている。
イスラエルがガザ地区の「完全封鎖」を命令し、電気や食料、燃料、水の供給を途絶えさせたことで、人道懸念は一層強まった。ガザ唯一の発電所は11日、燃料が底を突いた。
米国とイスラエルは、民間人を脱出させて人道支援物資を搬入するために人道回廊確保の可能性を模索しているが、既に時間切れだと国連は危機感を募らせる。
グテーレス事務総長は「燃料、食料、水などの人命救助物資はガザへの搬入が許されなければならない。今こそ迅速かつ妨げのない人道支援が必要だ」と訴えた。
その間にもガザの国連職員は不眠不休で対応に当たっている。国連が運営する学校には、空爆を逃れた市民のための避難所が開設され、UNRWAによれば計22万人が身を寄せている。
UNRWAは11日、現在の資金では今月末までしか活動を継続できないと述べ、新たに1億400万ドル(約150億円)を緊急に必要としていると訴えた。
人道回廊ができればガザ市民を脱出させるべきかという質問に対して国連報道官は、ガザ地区内の安全な避難所を優先させると返答した。
https://www.cnn.co.jp/world/35210164.html